宝石のようなチョコレート「ジャンドゥイオッティ」/トリノ(イタリア)
7 May 2012

私が住んでいる街、北イタリアのトリノは、かつてイタリアが統一したときから4年間だけ首都だったことをご存知の方は少ないかもしれません。今は永遠の都と呼ば れるローマが首都ですが、ここトリノにも数々のすばらしい歴史の1ページを刻む出 来事や、今となってはおもしろいエピソードとなる話がたくさんあります。 今日はその中から、ジャンドゥイオッティという、イタリアでは最も有名なチョコ レートを紹介したいと思います。

時は遡って19世紀。まだチョコレートが飲み物だった頃、ナポレオンが大陸封鎖を行って、西ヨーロッパから輸入していたカカオが入手困難になりました。 そこでピエモンテ州(トリノを含む北イタリアの地域)で採れる、甘みがあってとびきりおいしいことで有名なヘーゼルナッツをペースト状にしてカカオと混ぜ合わせ、 現在の固形チョコレートの元祖と言われるジャンドゥイオッティができました。今まで貴族の飲み物だったチョコレートが、この革命的なジャンドゥイオッティの登場で、瞬く間にヨーロッパの大衆にも広がっていきました。
私が今回写真におさめたお店は、1897年創業以来、手作りジャンドゥイオッテ ィを作り続け、スローフード協会などからも絶賛されたA.ジョルダーノです。 今や機械生産で作られるチョコレートが多い中、職人の手作りによって作られたジャンドゥイオッティは、今まで味わったことのない美味と食感です。また金紙に包まれているそれは、宝石の様なチョコレートと呼ばれています。 来年トリノでは冬季オリンピックが開催される予定です。公式グッズの中にもこの ジャンドゥイオッティが加えられており、日本でもジャンドゥイオッティが話題・ ブームになる・・・!かもしれないと思っているのは私だけではなさそうです。
(情報提供バイヤー:YUKIKOさん)